検査

2020.01.19

下痢について

最近寒い日が続いておりますが、皆さま風邪などは引いておりませんでしょうか。

今回のブログのテーマは、当院に受診される患者様の症状でも多い「下痢」についてです。

昔から快食、快眠、快便は「健康のバロメーター」といわれています。

便には様々な情報が含まれており、色や形、硬さ、量などをチェックすることにより、腸の状態や病気なども知ることができます。

 

毎年冬場になると下痢や嘔吐の症状を訴える人が増え出し、医療機関にはたくさんの患者様が受診されます。

体調が崩れ、おなかの調子が悪くなると下痢を起こしやすくなります。

下痢をすると体に力が入らず頭がボーッとしたり、トイレに入る回数やトイレへの不安で外出がままならない…といった経験をお持ちの方も多数いらっしゃるかと思います。

今回はそんな辛い症状である「下痢」についての原因や対処法を紹介していきたいと思います。

 

「下痢」とは、便の水分が多い状態のことをいいます。正常な便で水分が60〜90%のところ、下痢は水分が90%を超えた状態です。

便が消化管を早く通過し過ぎたり、便中にある物質が大腸で水分を吸収するのを妨げたり、大腸で水分が分泌されたりすると便に過剰な水分が含まれるようになり、「下痢」の症状へと繋がっていきます。

 

では、なぜ「下痢」は起こるのか。その原因について、もう少し詳しく解説していきましょう。

急に起こった下痢の90%以上が感染症と考えられており、ウイルスが原因であることが多いです。皆さまがよく聞くノロウイルスもその中の1つになります。

また、ウイルス以外にも細菌が原因となって症状が起こる場合もあります。O-157などが有名です。

食事内容、食べ過ぎ飲み過ぎによる消化不良、ストレスなども原因としてあげられています。

当院を受診された患者様にも、最近風邪を引いてからお腹をくだすようになった、たくさん食べた後に違和感を感じる、他に何も症状がないのに下痢だけが続いているなど…受診理由は様々です。

 

一言で「下痢」といっても、いくつか種類があるのを皆さまご存知でしょうか?「下痢」にはどのような種類があるのか、タイプ別に見ていきましょう。

①腸からの水分吸収が妨げられる「浸透圧性下痢」

食べた物の浸透圧(水分を引きつける力)が高いと、腸で水分がきちんと吸収されないまま排便されるため下痢になります。糖分の消化吸収が良くない時や、人工甘味料を摂り過ぎた時などに起こります。牛乳を飲むとお腹を壊す乳糖不耐症の下痢もこれに当てはまります。

②腸からの水分分泌量が増える「分泌性下痢」

腸は水分を吸収するだけでなく、腸液などの水分分泌も行なっています。その分泌量が多いと、便の中の水分が多くなり下痢になります。このようなことが起こる原因として、腸に入った細菌による毒素やホルモンの影響などがあげられます。

③腸の通過時間が短くなる「ぜん動運動性下痢」

腸は食べた物を口側から肛門側に移動させるために、ぜん動運動を繰り返しています。ぜん動運動が活発過ぎると食べた物が短時間で腸を通過してしまい、水分の吸収が不十分となり下痢になります。過敏性腸症候群のほか、甲状腺の病気(バセドウ病)などがあげられます。

④炎症により滲出液が増える「滲出性下痢」

腸に炎症があると、そこから血液成分や細胞内の液体などが滲み出て便の水分量を増やします。また、腸からの水分吸収が低下することも関係してきます。クローン病や潰瘍性大腸炎などがあげられます。

上記の①〜④とは別に、急に症状が出現し短期間で治まる「急性の下痢」と、長く続く「慢性の下痢」もあります。

 

「急な下痢は数日で治る」「まだそこまでひどくないから大丈夫」「体質だから…」と思い、なかなか医療機関に受診されない方もいらっしゃるかと思います。

しかし、中には速やかな治療が必要な場合もあります。次に当てはまる方はすぐに医師の診察を受けましょう。

・経験したことがないような激しい下痢

・便に血が混じっている

・下痢以外に吐き気や嘔吐、発熱もある

・排便後にも腹痛が続く

・同じものを食べた人も同時に下痢になった

・症状が悪化している。または改善の気配がない

・脱水症状(尿が少ない・出ない、口が異常に渇くなど)がある

 

最後に、下痢症状が起こった際の気を付けるポイントや治療法について解説していきたいと思います。

ウイルス性の下痢の場合は、基本的には水分摂取が重要となります。下痢によって体内の水分が失われやすいため、その補給が必要となるのです。

ちなみに細菌性の下痢に対しては抗生剤を使用することがあります。しかし、ウイルス性の下痢に対して抗生剤を使用しても効果があまりみられません。細菌性とウイルス性…この2つを判断するのは難しいですが、血便や腹痛が強い場合は細菌性の可能性があるため、できるだけ今ある症状を細かく担当医に伝えましょう。

また下痢が2~3日ほど続いたら、市販の下痢止めを使用したほうが良い場合もありますが、感染症による下痢には下痢止めを使用しない方が望ましいです。体の中にいる菌やウイルスを下痢によって排出しようとしている状態ですので、無理に止めようとしてしまうと菌が腸の中に蔓延してしまう可能性があります。

それでも我慢できずに使用する場合は、必ず注意事項を読み、副作用のような症状がみられたら速やかに医療機関を受診してください。

 

突然襲ってくる下痢、長引く下痢は体力を消耗するだけではなく、生活にも支障をきたします。

軽い症状であれば市販薬が役に立つこともありますが、根本的な解決にはなりません。

また自分では大したことないと思っている症状でも、実は別の病気が潜んでいる場合もあります。

どんな些細なことや小さなことでも構いません。気になることや思い当たることがあれば、ぜひ一度当院にご相談ください。

早期発見、早期治療が将来の自分の身体のためにもなります。

まずはお気軽にお問い合わせください。