病気について

2020.05.17

盲腸って何?

気温が高く暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今日は「虫垂炎」についてお話ししたいと思います。

一般的に「盲腸」や「盲腸炎」と呼ばれている病気ですが、実は盲腸ではなく盲腸にぶら下がっている虫垂という部分で起こるので、正確に言うと「虫垂炎(急性虫垂炎)」となります。

虫垂炎は、虫垂に細菌が溜まってしまうことで炎症が起こる病気です。

原因は、はっきりと特定されていませんが、虫垂がねじれたり、虫垂内部に便や粘液が詰まるなど、何らかの理由で血行が悪くなり、そこに大腸菌などの腸内細菌やウイルスが侵入して発症すると考えられています。
また、暴飲暴食や過労、不規則な生活、便秘、胃腸炎などが誘因となることもあると言われています。

虫垂炎を放置して症状が悪化すると、虫垂の壁が破れ、溜まっていた膿が腹腔内に放出されてしまい、腹膜炎などの重篤な合併症を起こしてしまう危険性があります。

症状として、初期にみぞおちや臍の周りの痛み、悪心、嘔吐、発熱、食欲の低下等の症状が多く見られ、病状が進行して炎症が強くなると虫垂のある右下腹部の強い痛みとなる場合が多いです。
このように病状の進行によって痛みの場所が移動するのが虫垂炎の特徴ですが、典型的な痛みの経過をとらない場合もあります。

診察として、腹部触診や血液検査をまず行い、必要があれば超音波検査(エコー)などを行います。
また入院すべきかどうか、手術が必要かどうか決める際には、腹部(造影)CTを施行し、炎症の程度や範囲を確認します。

治療方法は大きく分けて2つあります。
まず1つが、薬物療法です。
薬(抗生剤)で炎症を緩和させる方法で、俗にいう “薬で散らす”というものです。
初期段階であればそれなりの効果を発揮しますが、再発のリスクがあります。
もう一つが、手術療法です。
手術で炎症を起こした虫垂を切除する方法で、もっとも確実な治療法といえます。
開腹手術と腹腔鏡下手術の2種類の方法がありますが、症状や炎症の程度があまりにひどかったり、膿がひどく溜まってしまっている場合は開腹手術でしか治療できないこともあります。

急性虫垂炎はおなかが痛くなるだけの簡単な病気と思われがちですが、お子様やご高齢の方は重症化してしまう可能性が高く、ごく稀ではありますが命に関わることもある危険な病気です。

似ている症状の病気が潜んでいる可能性もありますので、いつもとお腹の調子が違ったり、似たような症状がある場合は早めの受診をおすすめいたします。

コロナウイルスによる外出自粛のため、あまり外に出たくないという方は、電話やオンライン診療での相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。