disease疾患

2023.09.24

意外とこわい脂肪肝

こんにちは。
日が落ちるのが早くなり、秋の訪れを感じるようになってきましたね。

今回は、脂肪肝についてのお話です。
脂肪肝とは、脂質の一つである中性脂肪が肝臓内に多く蓄積する状態です。もともと肝臓ではエネルギー源として脂肪が作られ、肝細胞の中に溜めています。使うエネルギーよりも作られた脂肪が多いと、肝細胞にどんどん脂肪が蓄積していきます。
食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎが大きな原因であることはご存知の方が多いかと思います。
しかし、運動不足や栄養の偏りなども脂肪肝の原因の一つであり、痩せている人やお酒を飲まない方、若い方の脂肪肝も増えてきているので注意が必要です。

脂肪肝は、アルコール性のものとアルコールと関連がないものに分類されます。
①アルコール性脂肪肝
アルコールの過剰摂取によって引き起こされるもの。
やがて肝臓に炎症が起こり、アルコール性脂肪肝炎(ASH)へと進行します。
治療法は、禁酒が最も効果的です。

②非アルコール性脂肪肝(NAFLD)
日本人の脂肪肝の原因で最も多いとされているのはこちらです。
アルコールを飲まない、飲んでも肝障害をきたさないとされる量で、脂肪肝を認める病態です。
原因としては、食生活や運動といった生活習慣の乱れやメタボリックシンドローム、ストレスなどです。油物をたくさん食べていなくとも、糖質(砂糖や果糖、炭水化物)の過剰摂取でも中性脂肪は作られ蓄えられていきます。
NAFLDは放置すると、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へと進行することがあります。NASHは5~10年の経過観察で5~25%の方が肝硬変への進行がみられます。肝硬変になるともとの状態に戻ることはなく、肝不全や肝臓がんの発症へとつながります。
肝硬変に至る前であれば、十分に治療可能な疾患です。改善のためには、生活習慣の見直しが必須です。

例えば、
・果物やお米、パン、麺類など糖質を摂りすぎない:ジュースも要注意です
・野菜→タンパク質→炭水化物の順番に食べる:血糖値が急上昇すると中性脂肪を蓄えやすくなります
・1日5分でも良いので、余分に体を動かす:有酸素運動や筋トレで筋肉を増やし、糖質の代謝UP (肝炎情報センターの㏋に、肝炎体操という簡単な体操が紹介されていますので参考になるかもしれません)
などです。自分の生活スタイルに合わせて継続することが最も大切です。

脂肪肝は、ほとんどが無症状であることから、従来は軽い病気だと考えられてきました。しかし、肝炎や肝硬変、がんへ進行する可能性があるというのみならず、脂肪肝の方は脂質異常や糖尿病などの生活習慣病を合併していることが多く、それらは動脈硬化を引き起こし心疾患や脳血管疾患へつながる可能性があります。つまり、脂肪肝は放置し進行すると、身体に危険が及ぶ可能性があるのです。指摘された場合は、早期に対処を考える必要があります。
健康診断や人間ドックで肝機能障害を指摘された方は、脂肪肝の可能性もあるため、二次検査を必ず受けましょう。脂肪肝の診断があれば生活習慣の見直しや、定期的な血液検査や腹部超音波検査での経過観察をおすすめします。
当院でも、血液検査や超音波検査などをおこなっています。お気軽にご相談ください。

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