disease疾患

2022.03.13

大腸憩室とは?

3月になり、少しずつ寒さが和らぐ日が多くなってきましたが、体調など崩されていませんでしょうか?
今回は大腸憩室についてお話させていただきたいと思います。

大腸憩室とは、大腸の壁の弱い部分が、外側に向かって小さな袋状に突き出した状態です。
通常は10mm程度のものがほとんどですが、大きなものでは20mmを超えることもあります。
日本人では右側結腸(上行結腸〜肝彎曲)・S状結腸に形成されやすいとされていますが、近年では左側結腸(下行結腸)にも憩室ができる割合が増加しています。高齢の方では両側に形成されるケースが増加しています。

憩室は腸管内圧が上昇することで形成され、憩室ができる原因として便秘、食物繊維の摂取不足、加齢による影響があげられています。
憩室は大腸内視鏡の検査時などに発見されることが多いです。
憩室自体は多くの場合無症状で、特に治療は行われません。しかし炎症が起こる等症状が出た場合は治療が必要となります。

〈大腸憩室炎〉
憩室内に細菌が感染した状態です。
腹痛および憩室部位の圧痛、発熱、吐き気、嘔吐、筋性防御(腹壁が硬くなる)、腫瘤(こぶ)形成などの症状が現れます。
穿孔して(腸管に穴があく)腹膜炎を起こすと、敗血症(感染が全身に広がった状態)やショックのおそれがあるため、緊急処置を要します。

炎症の度合いを血液検査で調べたり、また緊急処置が必要かどうかを調べるために腹部超音波検査や腹部CT検査、注腸造影検査で膿瘍(膿が溜まった状態)・穿孔の有無などを確認します。

治療法は状況に応じて選択されます。
・保存的治療:絶食、補液、抗菌薬の投与などが行われます。
・経皮的ドレナージ:ドレーン(管)を体内に入れ、膿を体外に排出させます。
・大腸切除術:開腹して憩室炎の箇所を切除します。

〈大腸憩室出血〉
憩室部の血管が破れて出血した状態です。
痛みを伴わない血便が見られ、処置が必要な場合、出血している部位を調べるために腹部CT検査や大腸内視鏡検査が行われます。

治療法は状況に応じて選択されます。
・保存的治療:多くの場合保存的治療が選択されます。絶食・腸管安静により、自然に止血するのを待ちます
。
・内視鏡的止血術:出血が多い場合や出血が持続する場合に選択されます。内視鏡を用いて止血クリップなどで出血点または憩室の開口部を塞ぎ止血します。

・動脈塞栓術:カテーテルを血管内に挿入し、カテーテルを通して金属のコイルなどを出血部位に送り、栓をして止血します
。
・大腸切除術:開腹手術にて出血している憩室がある大腸を切除します。

当院では大腸内視鏡検査を実施しております。
検査の前は「下剤をたくさん飲んで大腸をきれいにする」という印象は多くの方がお持ちだと思います。
しかし検査2・3日前からの食事を、食物繊維や脂肪分・刺激物を控えた食事(これを低残渣食といいます)にすることで、当日大腸がきれいになりやすく、下剤を飲んでいただく量も少なく済む可能性があります(個人差があります)。
また今回お話しさせていただいた「憩室」が大腸にある場合、ごまや豆類などの小さい粒が憩室に引っかかりそのまま大腸に留まってしまうことがありますので、正確な大腸内視鏡検査の実施のためにも、検査前の食事を整えていただくことはとても大切です。

この文章を読んでいただき、ご自身の症状など何かご不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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