about_disease病気について

2024.01.14

ヘリコバクター・ピロリ感染症

2024年が始まり、早いものですでに2週間が経過しようとしています。
厳しい寒さが続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回はピロリ菌についてお話させていただきます。

「ヘリコバクター・ピロリ感染症」は、ピロリ菌という細菌が胃の粘膜に感染することを言います。胃の中の強力な酸である胃酸により普通の細菌は生き残ることが出来ませんが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を作り出し胃酸を中和することで胃内での生存が可能です。持続感染により以下のような様々な疾患を引き起こすことがあります。

・慢性胃炎、急性胃炎
・胃過形成性ポリープ
・胃、十二指腸潰瘍
・機能性ディスペプシア
・胃がん、胃MALリンパ腫 等

ピロリ菌は主に人から人へ感染する細菌です。衛生環境が整っていない地域の不衛生な水や食べ物からも感染すると言われています。
ピロリ菌の話になると、「両親等家族にピロリ菌感染者はいるか」「幼少期に井戸水を飲んだことがあるか」と確認するのはこのためです。
また、成人してから感染するケースは少なく、胃酸の分泌や胃粘膜の免疫機能の働きが不十分な乳幼児期に家族内で感染することが大部分です。

日本では下水道の普及等で衛生環境が整備されてきているため感染率自体は減ってきているものの、50代以上で約30~50%、30代以下でも約10~20%の感染者がいることが現状です。

また、日本における胃がん患者の99%はピロリ菌感染が原因とされています。
胃がんリスクを下げるためにも、一度ご自身の感染の有無について調べてみてはいかがでしょうか。

ピロリ菌感染を調べるには以下の検査方法があります。

・胃内視鏡検査
・尿素呼気検査
・糞便中抗原測定
・血液検査 等

健康診断や人間ドックでは通常の採血検査と一緒にできることから、採血による検査をまず受けられる方が多いのではないでしょうか。
「採血の結果、ピロリ菌陽性と診断された」「胃がんリスク健診の結果、B~D群の判定だった」「健診・人間ドックの胃カメラで萎縮性胃炎と診断された」方はぜひ一度消化器内科へのご相談をお勧めいたします。

ピロリ菌陽性が確実な方は、薬の内服による除菌治療が必要です。(注1)
2種類の抗菌薬と1種類の胃酸分泌抑制薬の計3種類を、1日2回(朝、夕)、合計7日間内服します。初回の除菌治療を一次除菌とし、約70~90%の方が除菌成功します。一次除菌に失敗した方は二次除菌に進みますが、二次除菌までで約90%の方が除菌治療を終えることができると言われています。(注2)

ピロリ菌の除菌に成功した場合、発がんリスクを大きく減らすことが出来ますが、完全にそのリスクをなくすことはできませんので、1年に一度を目安に胃カメラを受けましょう。

ピロリ菌について検査したことが一度も無い方、健康診断等でピロリ菌感染の疑いがあると診断された方、過去に除菌したがその後胃カメラ等で検査していない方など、どなたでも当院にご相談くださいませ。次世代に感染を広げないためにも、一度検査を受けることをお勧めいたします。

当院は完全予約制となっております。お電話や当院HPやLINE等よりご予約の上ご来院ください。

注1:ピロリ菌検査(尿素呼気検査や糞便中抗原検査)や除菌治療を保険適用範囲内で行う場合は、6か月以内に胃カメラを受けていることが必要です。
注2:三次除菌以降の治療は保険適用外であり、自費診療となります。

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