病気について

2022.11.20

梅毒による胃の痛み?

だんだんと朝晩の冷え込みが強くなり、冬の訪れを感じるようになってきましたね。

さて、今回は最近急増していると言われる『梅毒』についてのお話です。

『梅毒』と言われても、どんな病気か想像がつきにくいかもしれませんが、実は胃にも症状が出ることがあります!胃の痛みがあって内視鏡検査を受けたところ、“胃梅毒”と診断された、なんてこともあります。

 

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体に感染することにより発症する感染症です。

2013年頃から徐々に増加しており、2021年は調査が始まって以来約20年の中で最も感染者が多かったと報告されています。

年代で見ると、男性では20-40歳代、女性では20歳代が多くなっています。

 

主な感染経路は、感染者との性的接触によって粘膜や小さな傷口から感染します。

また母子感染により胎児に影響することもあります。

梅毒は感染からの経過期間によって症状が変化し、一旦症状が消失するので、治った、と勘違いしてしまうため、発見が遅れるリスクがあります。

 

梅毒の症状は、感染後の期間によって第1期から第4期まで分類されます。

 

第1期(3週間〜)

3週間程度の潜伏期間を経て、感染部位(性器・肛門・口など)に小さなしこりやただれができます。これらの症状は無治療でも自然に消退します。

 

第2期(3ヶ月〜)

病原体が血液によって全身に運ばれ、バラ疹と呼ばれる痛みや痒みのないうっすらとした赤い発疹が手のひらや足の裏、体全体に出現します。数週間で再び症状は消失していきます。

胃に病変ができることがあるのはこの時期です。幽門前庭部に後発する不整形の多発潰瘍や特異的な扁平隆起性病変など、多彩な所見が出現します。

 

第3期(3年〜)

全身で炎症が進行し、ゴム腫と言われる腫瘍が、皮膚だけでなく骨や筋肉、内臓に広がります。

 

第4期(10年〜

全身の臓器や神経が侵され、脳や心臓が障害され死亡に至ることもあります。

 

検査は、血液による抗体検査を行います。

また、胃梅毒が疑われた際は、内視鏡検査による組織生検での診断も可能です。

 

治療は一般的に抗生剤(ペニシリン)の投与を行います。

 

症状が消失したからといって放置せず、気になる症状がある際は積極的に検査を受けることをお勧めします。

梅毒の感染で胃に病変が出ることは比較的稀ではありますが、梅毒感染者数の増加に伴い胃梅毒も今後増加することが予想されます。

 

胃の痛みをきっかけとした胃内視鏡検査で感染が発覚することもあります。

当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査をお受けいただくことが可能です。

気になる症状があるようでしたら気軽にご相談ください!