enteritis 感染性腸炎

enteritis 感染性腸炎

感染性腸炎とは

ウイルスや細菌、寄生虫などに感染して起こる疾患の総称です。ほとんどの感染性腸炎は、ウイルス性胃腸炎と細菌性腸炎で、夏は細菌性腸炎が、冬はウイルス性胃腸炎が流行しやすい傾向があります。主に汚染された食品や水によって感染しますが、感染した人や動物と接触して感染するケースもあります。 主な症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、発熱などで、こうした症状が突然起こります。

 

原因

  1. ウイルス性胃腸炎
    代表的なものに、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスによるものがありますが、他にも多くのウイルスによる胃腸炎が存在します。2020年に世界的に流行した新型コロナウイルスは肺炎を起こしましたが、コロナウイルスには胃腸炎を起こすものもあります。
  2. 細菌性腸炎
    カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌といった細菌に感染して起こります。赤痢やコレラも細菌性腸炎に含まれます。肉類や生卵などによって感染するケースが多いのですが、感染した人からの感染、カメなどのペットからの感染もあります。主な症状は腹痛や下痢で、吐き気や嘔吐をともなうこともあります。その場合には脱水しやすので注意が必要です。

症状

多くの感染性腸炎は、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、発熱を起こします。見た目でわかる血便を起こすこともあります。下痢をすると脱水しやすいのですが、嘔吐もあると水分を補給できず急激に脱水が進む可能性があります。子どもや高齢者は脱水のリスクが特に高いので、下痢に嘔吐をともなうようでしたら早めに受診して点滴などの処置を受けましょう。

検査・診断

ウイルス性胃腸炎の場合

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスの場合は、20分程度で結果がわかる迅速検査が可能です。少量の便を採取するだけで検査できます。3歳未満あるいは65歳以上の方がノロウイルスの検査を受ける場合、健康保険が適用されます。
ウイルス検査は陰性でも他のウイルスによる胃腸炎の可能性がありますし、感染していても陰性になるケースも存在します。

細菌性腸炎の場合

便を採取して培養し、菌を染色して顕微鏡で観察する検査を行います。ただし、培養を行うため、結果がわかるまでに数日かかります。

治療

経口補水液などでたっぷりの水分を摂取して安静を保って自然治癒を待ちながら、必要があれば症状を緩和させる治療を行います。脱水が懸念される場合は点滴を行い、発熱や腹痛が強い場合には解熱鎮痛剤を用います。下痢は病原体や毒素を速やかに排出するために役立っているので、下痢止めは基本的に使いません。薬剤で無理に下痢を止めてしまうと病原体や毒素が排出されず、重篤な症状になる可能性があります。
細菌性腸炎が長引いた場合には、抗菌薬を使用することがあります。細菌性腸炎は培養検査をしている間に症状が改善して抗菌薬の服用が不要になるケースもよくあります。

感染予防について

手洗いと消毒

ご家族や身近な方への感染を防ぐためには、手洗いと消毒が欠かせません。普段から手洗いと消毒を心がけることで感染リスクを低くできます。
手洗いは、石けんで指Ⅰ本から手首まで部分ごとにしっかり洗って流水で流します。洗った後は、乾いたタオルかペーパータオルで十分に水気をとってください。帰宅時、調理や食事の前、トイレの後には必ず手洗いをしてください。また、調理で肉や魚、卵に触れたら、その都度、石けんでしっかり手洗いをしてください。また使用したまな板や調理器具、ふきんは85℃以上の熱湯で1分以上加熱して消毒しましょう。
アルコールによる除菌は、耐性のあるウイルスもあるため、効果がないケースも存在します。ノロウイルスはアルコール耐性のある代表的な病原体です。感染した人が触れたドアノブや便器などは塩素系漂白剤を希釈した液体で拭き取り、タオルなどは塩素系漂白剤を希釈した液体に浸け置きしてください。

食品の加熱

原因となる細菌やウイルスは加熱処理によって死滅しますが、その場合、中心部までしっかり火を通す必要があります。加熱が十分ではないと中心部に病原体が残ってしまうことがあります。特に牡蠣はノロウイルスに汚染されているケースがあり、中心までしっかり火を通さないと感染する可能性があります。
また、調理中に卵や生肉などを触れた手や調理器具で他の食材を触ってしまって感染することもありますのでご注意ください。

嘔吐物・糞便の処理

ノロウイルスは嘔吐物や糞便に大量のウイルスが含まれています。嘔吐物や糞便が乾燥するとそこに含まれていたノロウイルスが空気中を漂って感染することがあります。正しく処理することでご家族や周囲の方への感染を防ぎましょう。
嘔吐物や糞便の処置をする際には、使い捨て手袋、マスク、エプロンを装着し、窓を開けるか換気扇を回します。その上で嘔吐物や糞便をペーパータオルなどでそっと拭き取ります。その後、次亜塩素酸ナトリウムや塩素系漂白剤を浸すようにかけて拭き取るか、たっぷりタオルに染みこませてしばらく覆ってください。消毒できたら水拭きして終了です。使用したエプロンやタオルは塩素系漂白剤を希釈した液体に浸けて消毒し、ペーパータオル、マスク、手袋はポリ袋に入れて密閉して捨てます。

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